7月16日(日曜日)

在り来たりのチョイ釣りだけど記憶に留めておくよりも、やはり日記として書き残して置こうと思いました。

今日は会社が始まる前に帰らなければ成らないと肝に銘じ出掛けました、以前より気に成っていた里山に有る小さなアゼ川です、50年も昔、田んぼの引込口に網を置いておくとフナやドジョウ、ナマズなど色々な魚が獲れた記憶が有ります、それはあくまでも清らかで透き通った水に覚えていますが、現在の私の願望が記憶を変えてその様に蘇らせているのかもしれません、しかし50年もの昔に清らかでない川など
有ったでしょうか、無い筈です。
そんな懐かしい記憶が里山に出掛けると田んぼのアゼ川についつい魅せられてしまうのです。
小さな沢の散策記ですが、心の奥に有る大事な大事な子供の頃の思い出とクロスさせて見たのです。

早朝4時半に吾妻漁協管轄のとある里山に着きました、幸い雨も降っていませんが、
雲っていてまだ薄暗いです。
身支度を整え田んぼのアゼ道を暫し歩きます、こんな場所でフル装備の釣り人が竿を携えて歩いている事
自体、実に滑稽ではありますが、本人至って真面目です、またそれが不似合いで少々恥ずかしい気も......
誰もいない所で恥ずかしがっていてもしょうがなく、もし端目に見られたなら多分変な親爺かと思われます。
暫く歩きますと薮に覆われた沢へと成っていきました、それではと3.6ズームに1.3mの提灯仕掛けで鉤を
落として見ました、コツン!と威勢の良い当たりに竿が絞られていきます、オーォッ!引き寄せますとリリースサイズの山女魚君です、元気良いナーお前ウンウン、でももう少し大きく成って掛かってくれよなと放ちます。


      「畔川の上流」                「元気の良いコッパ山女魚君」

今日はフナかウグイと思っていましたが、このアゼ川上流域はれっきとした種沢に成っているようです。


   「一人前の渓相」                 「パーマークが綺麗です」

そこかしこで山女魚君が攻撃を仕掛けてくれます、1時間も釣り上がると当たりに変化が見られました。
もしかして!やっぱり!そうです岩魚です、まさかこのような場所で逢えるとは夢にも思いませんでした。


        「14cm岩魚君」              「支流から上がってきたのでしょうか」

田んぼのアゼ川上流で昔ならば幻の魚と言われた岩魚が今自分の手の内に居る、素晴らしい事です。
この嬉しさは子供の頃、網の中の魚を見て喜んだあの時ときっと同じだと思います。
岩魚君の写真を撮りそっと放つと元気良く逃げていきました、恐らく支流域にて
稚魚放流されたものが上がって来たものと思われます。
その先は小渓流の渓相を為していました、リリースサイズでは有りますが、しっかりと棲み分けをし岩魚域を
作って頑張っているようです、恐るべしアゼ川源流、節操もなく仕事前に出掛けた意義が有りました。

着実に里山のアゼ川も護岸されています、気の利いた川は直ぐに砂防堰堤へと作り変えられていきます。
護岸のないアゼ川も残して欲しい、人の勝手で直ぐに砂防堰堤にしないで欲しい、環境を見極めた
策を講じて欲しい、そんな思いで帰路に着きました。
ウ〜ン現実に戻らなくてはいけません、8時を廻ってはいけません!遅刻だ〜!
何とも落ち着きのない源流親爺ですが、小渓流にこそ此れからの大事な未来が有ると信じています。
最後に書き残して良かったと思います、5年後10年後に読み返した時どんな気持ちで受け止めるでしょう。



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