7月30日(日曜日)
29日夜、友人よりメール、「夕方にモドキ13匹駆除せしめたり、明日は多分釣れん!」との内容。
考えた末、追い討ちをかける如く早朝より決行と決断、しかしこれが甘い決断に終わるとも知れず。
30日朝、午前5時現着、天候は申し分なく梅雨の明けるのを待つのみです(午後には明けたそうです)
5.6ズーム、1.3m通し仕掛け、0.8フロロ、8号岩魚鉤、餌ブドウ川虫、で臨みました。
「山紫陽花もまだ綺麗です」 「薄暗い落ち込みで」
意気揚々と入渓、中ほどまでは私の気配で岩陰に隠れる岩魚を確認する程度に不安感!
いよいよモドキのエリアに突入です、当たりは有るが食いに至らずの繰り返し、餌を見て素早くUターン!
コツンと突っついてUターン、咳払いで猛ダッシュ!石を踏み外した音で岩陰に猛ダッシュ!
遠くから眺めただけで猛ダッシュ!魚影は有るのですが、完璧にスレきっているようです。
全てがモドキとは思えません、大方ニッコウ岩魚と考えられます。
やったと思えばニッコウ君、写真1枚で即お帰り願います。
「まずまずな型です」 「今年の流れの強さが判る鰭です」
「明日は釣れん!」やっぱり素直に従えば良かったと後悔の念、こうなるとあそこへ行けば良かったとか、
まこと勝手な発想に不甲斐ない親爺です、でも良く考えるとこれって目標としていた事に徐々に近づいて
いる証なんだと言う事に気が付くと、少し救われた気分に成りました。
武尊(ホタカ)岩魚の沢に戻るのも、そう遠くはない様です、仲間の皆さんの協力に感謝です。
結局良型岩魚2匹で終了、それも9時には車の横でタバコを燻らせている有り様でした。
青空の下、帰るには虚しすぎるので、、帰り際にもう一沢寄って見る事としました。
「良い渓相です」 「大好きな竿抜け、勿論!」
「元気が良すぎてポーズが!」 「飲ませ過ぎた!」
幸い先行者は居無いようですので心置きなく入渓する事が出来ました、雪代を思わせる水量に
ビックリですが、軽めの錘で瀬を這わせると何処からか岩魚が飛び付いてきます、小さな落ち込みでは
重めの錘で探ります、昨日は誰も入って居ないようです、良い型の岩魚が目に付きますが、こんな小さな
沢で尺を思わせる岩魚は流石に賢いです、食いには至りませんが不思議と頑張れよの思い。
「この沢にしては急流です」 「出合には必ず!」
「尾鰭が流れのきつさを物語っています」 「源流域特有の色が綺麗です」
そうこうしている内に昼近くに成りましたので納竿と致しました、自分でも本当に釣りが好きだと言う事を
実感した半日でした。
「山百合と青空に別れを告げ」
因みに武尊岩魚(ホタカイワナ)の件についてですが、知り得る事を書き記したいと思います。
古の時代より武尊山周辺に生息しているニッコウ系岩魚をこの地固有の武尊岩魚と呼びます。
この種の特徴は大型に成る事が知られており、2尺サイズも珍しく有りません。
奥利根の源流や、入渓し難い源流域などはこの武尊岩魚の血を受け継いでいるものと思われます。
原種は片品川支流の塗川、その枝沢に充る大沢川に居たと聞きますが、現在は絶滅しています。
しかし、今も純粋に近い武尊岩魚を養殖している個人のお宅がその傍に存在しています。
漁協はそのお宅から買い受けて片品川の幾場所かに放流しているのです、有難い事です。
その事から武尊山周辺で釣れた岩魚を武尊岩魚と称しても何ら恥じる事でも有りません。