9月17日(日曜日)
以前よりの約束通り今日は「おちゃだのひとりごと」のおちゃさんとの源流散策です、近くでとびっきりの渓相へ向かう事で決定しました。
禁漁が3日後に押し迫った渓ですので他の釣り人の方が先行していても覚悟の上で臨みました。
現地に到着するもまだ入渓するには危険な暗さですが、昨日より車中泊で入渓待ちをされている方が居りました、お話を伺うと埼玉県
より来られたとの事、実に紳士な人達でした、充実した沢装備に何よりお2人ともきちんと遊魚券を下げて居ります。
私のHPも存じていたのにはまたビックリでした、お互いに入渓点を取り決め彼らの退渓点より上に入る事とし一緒に登り始めました。
暫くは釣り談義に和みながら楽しく同行いたしましたが、この時点で私のしてはいけないミスに気付いていたらと悔やまれます。
15分ほど登り彼らとお互いの健闘を祈りお別れです、私達はこの先の入渓点までまた登り始めました、そして到着です。
20mほど草木を頼りに崖を下り渓に降り立ちました。

 
「おちゃさんの第一声、良い所だー!」               「毛鉤ビギナーの下手な親爺!」

この沢は見た目よりも実に奥が深く、里山の源流域にしてはとても険しく遡行が厳しい沢で安易な行動を取ると命すら落とし兼ねません。
イヨイヨ釣行開始です、アレ!!無い、ナイ、ない、昨夜眠い目で作った仕掛けが無い、それもケース毎、2ケースそっくりありません。
車の中に忘れてきたのでした、その他の物はしっかりと持って来ています、またこの崖をよじ登り戻るわけにもいかず考えました。
そうだ今日はおちゃさんの釣りをしている姿が撮れれば良いヤー、と諦めました、その時ですふとベストに手を当てると何かが有ります。
毛鉤でした、1mほどの提灯仕掛けに成っています、しかも3本、良しやって見るかと挑戦です、しかし所詮は増水状態の流れに
毛鉤初心者の毛鉤は虚しく流れて行くだけでした、やむなく餌釣りに変更ですが、毛鉤の毛を削ぎ錘を付けても鉤形状が異なり
思いのままに流れてくれません、当たりは有りますがどうしても食わせる事が出来ませんでした、それでもたった1匹、岩魚君が申し訳
なさそうにやっと掛かってくれました、これほど嬉しい釣果は久しくありませんでした、写真を撮りそっと流れに戻しました。

 
「今日の私には無理!」                     「申し訳なさそうな岩魚君」

その後におちゃさんも綺麗な岩魚を見る事が出来ましたが、実に目映く美しく感じられました、彼も来期の再会にそっと放ちます。

 
   「大淵狙い、厳しい〜!」                「おちゃさんが仕留めた目映い岩魚君」

 
「大瀑です、左から高巻き、コエ〜!」                   「落ちたら多分....」.

 
「たまに有る開き、おちゃさんロッドの角度が少し変!此処から連続の小淵が続きます」


 
     「小瀑と二連淵、素晴らしい〜!」            「二股の大淵、見るからに居そう何ですが!」 

 
  「これは二段の落ち込みです」               「思うように流せず、呆然としている誰か!」

 
  「コバルトブルーの希少な淀み.」              「この白泡の中から誘い出したかったです」

通らず、大淵、2段淵、小滝、大滝、命がけの高巻きとヘツリの連続です、これだけで如何に素晴らしい渓相か想像が付くと思います。
全工程7割ほどで自分達の技量の限界を覚え、大事に至らぬ内に撤退する事と致しました、それも傾斜角50度もある山肌の薮を掻き分け
林道に這い上がりました、暫くその場で放心状態です、しかしお互いに満足感が一杯で嬉しさの余り笑いが出てしまいます。
林道を降り車に戻った時には先行の彼らが丁度帰る所でした、やはり激渋だったそうですが、無事で何よりでした。
笑顔でお別れをしましたが、久々に清清しい釣り人に逢った様な気分で嬉しかったです。
負け惜しみではありませんが、「渓流釣りは釣果にあらず、釣果に溺れる者は己を見失い、渓相を見失う者は己を失う」
と聞きます、私達はあの1匹の岩魚に逢う為、釣果以上の素晴らしい成果を得られた今回の釣行でした。
シーズン終了には申し分のない最終釣行と成りましたが、又来期にもおちゃさんと降り立って見たいと思います。
この場を借りまして「おちゃさん」ありがとうございました、そしてお疲れ様でした。



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