8月5日(日曜日)

今日は以前から釣り友「子持ちのFCさん」と計画していた、とある源流域へ出向く事と成りました。
何時もの様に子持ち道の駅で待ち合わせです、いつもより少し遅い午前3時です。
此処でFCさんの車に乗せて頂き途中我らの餌を調達し現地まで直行です、チョット心配な雲行きでしたが、何とか持ちそうです。

仕度を整え5時出発、目的の沢まで歩き始めましたが、途中確認したい沢が有るので寄り道をする事と成りました。
ヘツル為に8mmのザイルを用意しましたが、FCさんの好判断により使用する事なく済みました、流石です。
この沢、FCさんの持っている文献によりますと岩魚の棲息が厳しい水質との事、確かにその様な感じでした。
魚影の走りも魚信も皆無で即撤収と決断、苦手なヘツリをし、この沢を後に致しました。

 
[朝靄の中、竿を出すFCさん、文献では岩魚の棲息不可との事でしたがその通りでした、でも流れは奇麗です]


目的の沢の出合まで各々結構な型の岩魚にまずまずな遡行ですが、巻きが厳しくヘトヘトです、出合に着いた時は
お互いの表情に疲れが見えて居りました。

 
[出合に着くまではお互いまずまずの釣果でした]

先ずは出合の水量の多い方を確認しましたが、最大の大渕で魚信の魚の字も有りませんでした。
この淵を巻く事は出来ませんが、この上流域には別ルートで以前に入った事が有りますので岩魚は棲息していない様です。

 
[出合の水量の多い方です、この沢最良の淵です、確認するFCさん]
         

かくして水量の少ない未踏の枝沢に向いますが、到底期待など持てる訳もなく足取りも重く成って行きます。
と書きますと終ってしまいますが、これからが私の嫌らしい根性の見せどころでしょうか、とにかく行って見るのです。
そこに岩魚が居なくてもそれで自分の地図を埋める事が出来るのです。
同行してくれるFCさんの心中を思うと申し分けない気持ちですが、先を見たいと言う欲望に駆られるのです。
でもやはり不安は的中したようで、渓相を堪能している時間が刻々と過ぎて行きます、気持ちを入れ替える為に
チョット遅い朝食タイムと致しました。
ノンビリとした空間での食事は格別のものがあります、辺りを見渡すと僅かばかりの踏み後らしきものが杣道を成しています。
今年の踏み後では無いようです、恐らくこの沢には殆ど釣り人は入らない様に感じました。

 
[懲りずにとにかく竿を出して見る2人]

食事を終え、これ以上釣り上がっても当たりを取る事さえ無いだろうと思いつつも小さな溜まりの白泡の中にそっと落とし込んだ
とたん、いきなりの重量感です、この細沢の小さな溜まりに私の竿を目一杯撓らせる岩魚など居る訳が無い、絶対居ないであろう、
居ても木っ端であろうにと私は考えて一気に引き寄せタモに納めました、何と尺には僅かに足りない凛々しい雄の岩魚でした。
水量の多い支流を行く度も何時間掛けても巡り逢えなかった岩魚にこの様な場所で巡り逢えた事は私には奇跡でした。
この沢へ下流域からの遡上など絶対に有り得ない辺境地なのです、何とも逞しい魚体でしょうか。

 
[この小さな落ち込みの白泡の中に・・・かくも凛々しい源流岩魚です]

この場から少し上がった所に3段の滝が有ります、ホップ、ステップ、ジャンプ滝(HSJと仮命名)このHSJ滝の下段の落ち込みで
今一度見事な魚体を拝む事が出来ました、体高のある立派な優しい顔の雌岩魚でした、恐らく子孫を残してくれると思います。
まさに桃源郷です、たとえ釣果がこれだけでも私には奇跡の桃源郷でした。

 
[三段の滝を見た後、左岸を直登して上に、その枝の下の白泡の中から]

 
[優しい顔に頬が緩みます]                     [中段の滝を確認するFCさん]


この滝の左岸を直登し巻く事が出来ましたが直ぐに50m程の滝が表れ此処で撤収と致しました、以後にまた訪れて見たい渓です。
これまで何回も同行して頂いたFCさんですが、思うに私より遥かに兵です、健脚で身が軽く決断力に優れ私などよりは
源流探索に向いているように感じました。
今回の散策が叶いましたのもFCさんの見事なサポートによる処で有りました、心より感謝致します。

 
    [結構な長さの滝です]                      [出合まで無事に戻る事が出来ました]

無事出合まで戻り下山する事が出来ましたが、時間的にはまだ正午近くです、異様な疲れにお互い他の沢へ
行く事など考え付きません、とにかく寝たいの一言でした。
子持ちのFCさん今日は源流散策及びサポートありがとうございました、そしてお疲れ様でした。



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