平成23年8月6日 【土曜日

休日が変則的な結果、今日久々に土曜日の源流散策に出掛けられました。

昔、山間の道端で地元のお爺さんとお話をしていた時、『俺んちの横にドブが流れているから来て見れば、メダカがいっペーいるから』
と言われ出掛けた事が有りました、勿論どんなに綺麗な川でも昔からの方言でこちらでは年配の方は『ドブ川』と称しています。
今日はその『ドブ川』に出掛けて参りました.。

朝ノンビリ7時に現着、既にたんぼの水周りを調べていらっしゃる農家の方がおいででしたので早速挨拶方々
おはようございます、今日はこの辺りに魚釣りに出掛けてきましたが、水の出具合は如何でしょうか?
とお訪ねすると、『この前の大雨で結構流されちまったよ、釣りになんかなんねーぞ、だいいちこんなドブ川に何がいるんかい』
との嬉しい返事、だから荒れないのでしょうネ〜、傍に川が有るとこんなものでしょうか。

ワクワクしながら支度を整え入渓するも丸1時間も魚信が有りません!やはり落ちてしまったのかと一抹の不安、
しかし小さな落ち込みを覗けば結構な型の岩魚が底岩にへばりついているのが確認できました。
その時思い出しました、私の釣り下手の原因。
7月15日に良い思いをした時の感覚そのままのスタイルで臨んでいた事を、あの時は岩魚の異常な喰い立ちに助けられ振り込むと
瞬時に掛かったものでしたが、今日この沢の岩魚達には通用しません、大水が出た後の岩魚にはストレスが残っています。

そこで錘を3Bから5Bにしポイントでの流れを幾分遅めにし
ジックリと流して見ました、このような状況で餌に下手なアクションを
加えると余計に不自然になり岩魚に違和感を持たれてしまいます。
その甲斐有ってやっと掛ける事ができました、それも見事な鼻曲がりの岩魚でした。
またしても一跨ぎの沢で見事な良型を見る事が叶いました、今一尾良型を見させてもらったので退渓と致しました。

下記の4枚の写真はその俗称
『ドブ川』(笑)での模様です。

 
                
【この小さな落ち込みに居てくれた鼻曲がりの可愛い子、正直嬉しかったです】

覆い被さった薮の隙間から木漏れ日に映し上がる細い流れ、何やら幻想的でも有ります。

 
                
【この蜘蛛の巣のレーダー網、下に居ない訳がない、タモの中で不機嫌そう】

それにしてもまだ9時、終るには早過ぎるしどうした事かと思案、そこで春先にミーちゃんとしげちゃんとで
赴いた里山源流に足を向けて見ました。

早目の昼食を摂り、ザックにはザイルとお菓子とカッパの超軽装備、お目当てのポイントまでただひたすら歩くのみ、午前11時到着です。
意気揚々と竿を振るも痛恨のバラシ、しかも土砂降りのおまけ付き、仕方なく下山と致しました。
それも半分の行程を下がった頃でしょうか、通り雨だったのでしょう見上げれば晴れ、心臓バックンバックンで舞い戻りました。
どうしてもポッちゃんした岩魚の顔が忘れられませんでした、何ともおまぬけな行動ですよネ!

しかしキッチリと釣り上げて満足の成果を見る事ができました、その後も源頭近くまで釣り上がり思いも掛けぬ良型の岩魚達に
逢う事ができました、漁協に見放されたこんな辺鄙な里川の源流域、あと幾つ廻れるでしょうか。

私が言う里山源流とはみな魚止めを備え放流魚の遡上が容易ではない域を指します。
よってほぼ天然に近い環境下で繁殖した岩魚達です、それは先人の方々が
自分達の食用の為に放った貴重な岩魚の末裔です、殺生などは以ての外です。

 
                      【このナメ床下の溜まりで良いファイトを見せてくれました】

写真右上の子が下山途中の私の足を再び舞い戻らせた女神ちゃんです。
貴重な土曜休みに悔いを残さぬ良い形で竿を納める事が叶いました。

 
                         
【源流域でも良型の岩魚が相手をしてくれました】

私が里山の薮沢源流に思いを馳せる気持ちがお分かり頂けたと思います。
こんな何の変哲もない一条の流れにも脈々と息付く岩魚達、里奥で逢えたならそれはもう満足の極みでしょうか。


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