平成23年11月27日 【日曜日

『我が心の里山源流X』としてデジブックに仕上げる予定でしたが、あまりにも背景に
息吹を感じられずHPで更新する事と致しました。

今回紹介致します沢は平成4年に砂防堰堤が施工されたしがない沢です。
つまりは砂防堤が構築されてから来年で20年。
当然ながら施工される以前の沢は細いながら岩魚達の良き棲処でした。
現在でも堰堤下には岩魚が沢山棲息して居ります。

この地を知っていらっしゃる方が居りましたら是非ご連絡を頂きたいと思います。
合わせて砂防堤上で岩魚を見たなどのご意見も伺いたいと願います。
私は7年前に棲息確認を試みましたが魚影は皆無でした。

最後までご覧頂いて皆様の目にはどのように映られたのかお聞ききしたく載せてみました。


 とある民家の裏庭を
 過ぎるとこんな光景に
 出くわします。





























 お分かり頂けたで
 しょうか、奥に鎮座
 している砂防堰堤
 を構築するだけに
 造られた工事道で
 あります。

 当然、護岸工事も
 抱き合わせての
 施工です。

 いまと成っては
 誰も通りません。



















 高さ8mほどで
 既に吐き出し口の
 上まで砂で埋もれて
 居ります。

 砂防堤の機能は
 100%満たして
 居ります。

 しかし機能を満たす
 代わりに水生生物の
 往来はここを境に完全に
 遮断されて居ります。
 
 こうして見上げると
 まるで不夜城!

 大水が出ても
 吐き出し口から
 生き物が行き来
 する事など
 できません。










 堰堤を左岸より
 高巻き降り立つと
 このような生物の
 息吹すら感じられない
 細々と流れる
 淋しい沢に
 遭遇致します。

 芽吹きの季節ならば
 気持ちもまた
 違うでしょうか。





















 唯一ここで
 水鳥を見る事が
 叶いました。





























 暫らくは
 滑床回廊を
 突き進みます。





























 以前はこんな小さな
 溜まりでも必ず
 岩魚の姿が
 拝めたのですが!

 水生昆虫すら
 見えません。

























 これは
 ぬた場です。
 イノシシが体に付いた
 ダニや寄生虫を
 泥を浴びて落す
 場所です。

 どうやら昨日辺り
 に浴びたようです。























 遠耳に発砲音が
 聞こえます、
 クワバラくわばら!





























 昔、私の
 好きな
 場所でした。

 残念ながら
 ここでも岩魚の
 走りすら確認
 できませんでした。
























 石をひっくり返し
 水生昆虫を
 探して見ました!

 それにしても
 年月が
 自然の摂理で
 甦らせてくれると
 甘い考えを
 抱いていたのですが
 私の完敗です。





















 この出合いも
 乏しい水量で
 遡行するのも
 虚しく成ってきました。

 取り敢えず僅かに
 沢の様相を留める
 右股へ向いました。
























 右股も
 いよいよもって
 淋しい流れです。

 彷徨い歩くも
 ここまででしょうか。

 諦め退渓する為
 左岸寄りに向った時!
 小さな、とても小さな
 二寸ほどの岩魚が
 私の足元をすり抜け
 石の隙間に隠れる
 ではありませんか!

 驚きと嬉しさと
 姿を知らしめてくれた
 岩魚君にありがとう。
 嬉しくて暫らく
 石の隙間を眺めて
 いました。

 これは何を物語る
 かと申しますと、
 
 親がどこかに居るのです!





細々と生き長らえてくれた岩魚達に改めて感謝です。
完敗と思っていた岩魚の棲息、まさに奇跡でしょうか、恐らく稚魚達は色々な場所に隠れて私が
立ち去るのを待っていたのでしょう、この規模の沢ですと親でも七寸ほどの魚体と思われます。
近年見た岩魚の中で最小にして最強の兵岩魚でしょうか、きた意義も見い出せました。

最後にしてこんなドラマが待ち受けていたなんて思いもよりませんでした、ただ嬉しさは一塩でした。

人は動物や昆虫達の長きに渡って繋がってきた生態系を潰すなどいとも簡単に起こし得ます。
またそのしっぺ返しを自然界からも喰らいます。
私などただの米粒ほどの存在、こうしてHP上でお伝えすることで精一杯な岩魚親爺です。

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