平成27年12月20日 【日曜日】   2015

随分と昔に立ち寄った事があった小さな沢、その時の記憶を辿らば『水なかったナ〜・・・』でした。
丁度その時は渇水期だったのでしょうが、増水期にあっても気の知れたものとそのまま記憶から消えていました。
先日地図を見ていて『そうだあの細い流れの最初の一滴を確認に行こう』と思い付き出掛けてみました。

薄っすらと雪が残る細い沢、怪我の無きようウエーダーとシューズに履き替える、年30回以上の里山歩きにフォックスファイヤーairistaのラバーソールが
2シーズン耐えた、いままで色々なメーカーの物を使ってみたが全て1シーズンで廃棄となっていたのを考えるとそのパフォーマンスはたいしたものだ。
ティムコに問い合わせたらもう作らないとの事なのでサイズの合う物がまだ残っているショップを調べてもらい予備に購入しておいた。
せっかく良い器が手に入ったと思いきや製造中止とは何とも残念である・・・ウエーダーも毎年変えていたが今回パズデザインのゴア仕様が
これまた2シーズン耐え抜いた、これは新品をオークションで3分の1で落とした物、しかももう一着どうですかと尋ねられたので載ってしまった。
ソックス部が24cmなのであまり引き合いが無いらしい、のろまの小足であるが取り敢えずこれで2〜3年は足周りの心配が無くなった。
話が逸れてしまいましたネ!

肌を裂く様なこの時季の寒さはなくとても穏やかな本日、汗拭きようのタオルを首に巻き、ザックを背負いラジオのスイッチを入れいざ出立。
全工程1.3Kmの急勾配の流れを辿り(水あまりないし!)行けば小さな溜まりに気を引かれる、生命反応は薄い雰囲気だ。
それでも溯ることができる己に嬉しさを感じ一縷の望みを抱きながらこの短い行程を辿り行く。
時折り小さな溜まりに話し掛ける『そんな所に居ないよネ〜!』『居たら動いてヨ!』などなどまるで変人である。
居たら動い・・・の言葉を投げ掛けた途中、落ち葉にスーっと逃げ込む魚体が見えた!真っ黒い体に真っ白な蛍光色で彩った鰭縁を纏った岩魚だ。
オ!〜っと雄叫びを上げるやそれに驚いていま一尾の魚体が岩影に逃げ込む、共に6寸ほどの体長だ、きっとあれで親でしょうか。
いやはやまさかの魚影に嬉しさは倍増、まず居ないであろうと踏んでいた極小の流れに有ろう事かペアで!
恐らくこの沢にはこのペアしかいないと思います、しかしそれでも良いのです、前回の孤島に一尾の虚しさは避けられますから。

こう成るともはや最初の一滴は足取りも軽やかに進みます、そしてしっかりと倒木横から滲み出る一滴を確認し、感謝の念を納め帰路に着いた。
それにしても細沢好きな己に自身で呆れるほどだ、しかしだからこそ釣り欲の失せたこの時季にふらっと辿り行く事が叶うのでしょう。
漁協も相手にしない、ましてや岩魚の溯上はできない辺鄙な細沢、この地に解き放った先人に改めて感謝致したいと思います。

【この時季特有の閑散とした薄ら淋しい殺風景な絵面】

【期待はしていません、遡行できるだけ、それで良いのです】

【これ位の溜まりは上等なほうです、それでも覗く己が恥かしい!】

【まさかのまさかでした、まさかこんな所に、頑張れお前達、しっかり生抜いて子孫を残せ!】

【ここが最初の一滴の場です、細い沢とは言えこの一滴から始まります、美味かったです!】

【帰路の林道で谷川岳を望む、美しいが登る気にはなりません】




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