令和2年8月15日  【土曜日】  2020

さて本日は釣り友「宮前さん」と2人で昨年の課題に挙げていた源流域に残された罠の全ての回収に臨んできました。

尾瀬奥鬼怒林道を午前5時15分出立、もくもくと釣りや渓の話をしながらだらだらと登る、これがまた距離が長い、最も栃木県と群馬県境まで行くのですからネ!
カシミールで測定すると大凡片道8Kmある、私など3時間近く掛かってしまうが正直現場着までのだらだら感が歳と共に楽しくなる、不思議なものだ。
勾配さへきつくなければこのひと時が楽しいもので、だんまりの登坂ほどつまらないものはないし疲れる。

今回は沢名を出しますが、その訳はあまりにも激戦区と化したこの最深部の源流域、岩魚の枯渇が深刻で深部まで釣り上がりましたが実釣成果は2人で2匹。
2匹ですヨ、けっして下手ではない2人が丁寧に探った結果です、それも私が釣り上げたのは蛇の様に痩せた泣き尺です。
ミヤちゃんは見事な泣き尺を上げましたが、この2匹を目にした後は最上流域まで生命反応は殆どありませんでした。
恐らく今期で枯渇するでしょう、これ以上此処の岩魚を叩くことは止めるべきと告知します、全ては釣り雑誌に踊らされた迷える釣り人の仕業かと。
それといま一つの要因が浮かびます、それは栃木側の加仁湯温泉からの釣り人です、いとも簡単にトンネルを抜け猿沢源流部まで行くことが可能です。
情報では客をそこまで車で運んでくれるそうです、そんな客アリキなことをやっているから枯渇するのです、経営者とモラルなき釣り人の浅はかな繋がりでしょうか!

私達が沢の入り口に戻る途中でフライマン2人とすれ違い、入り口でフライマン2人と会いました、その内1人はクーラーボックスタイプの魚籠を下げていました。
遊漁券は携えていたので何も申しませんが、まさかの源流域で私達を含め3パーティー6人が犇めく混迷の釣り場状態、これにはまこと恐れ入りました!
しかもまだ仲間のパーティーが猿沢中流部からブナ沢で釣りをしているとのこと、もはや猿沢は下部から源流域まで侵されております。
岩魚の絶滅危惧も甚だしく赴くだけでも往復6時間近くを費やし絶滅寸前の岩魚を釣る意味など有りやしません。
この違法罠の回収を機に今後この流れに踏み入ることは恐らく罠の確認くらいかと思います、その時は片品役場さんの許可を得て車で入ります。

ミヤちゃんは丁寧に探りを入れます

見事な泣き尺にホット一息

唯一の当たりが此処で!

痩せ細った泣き尺岩魚!

その後は全く当たりが遠退く

でもこれで大満足なのです

釣りに関しては以上です」


さてここからが昨年から課題としていた事案「密漁道具の撤去」ですが、お手伝い下さったミヤちゃんがPCで必死に見付けてくれ罠の使い道がハッキリしました。
まさかの「サンショウ魚の捕獲罠」と判明しました、この件を挙げているブログさんもいらっしゃいます。
この記事は山紫水明さんのブログ記事です、快く承諾を得てリンクさせて頂きました。「中ノ岐沢猿沢〜ブナ沢」

このサンショウ魚がどのように扱われるているかもミヤちゃんが調べてくれました、それは「桧枝岐名物珍味山椒魚料理」だそうです、ググッて下さい。
きっとこの場所で密漁をし旅館などに卸していたのでしょうが、全く持って迷惑な違法行為です、また来て狩るため流されないよう隠してありました。

私達は上流域まで釣り上がり竿を納め、戻りながらドウと捕獲袋を撤去しました、今回は8基の仕掛け罠、2基づつ捕獲袋に入れ両手で吊り下げて戻ります。
こんな物でも両手に下げて山道を歩くのも結構きくのです、1袋2Kg有ります、「2人で、もうこねー、こんな物置いていきやがってバカヤロー」
と言いながら耐えての下山ですがいま一つ腑に落ちないことがありまして書き記しておきます。
本来車での乗り入れを目指していたのですが、道中崩落や落石が多く役場から工事車両以外の乗り入れは禁止と成りました。
がしかし猿沢源流口まで私達が着いた時には環境省のなんちゃらとか言う調査中の腕章をダッシュボードに置いた車が停まっていたのです。
正直それを見た時、今日はやられたとガッカリしましたが、ミヤちゃんがこの車は完全に冷えているので今朝の乗り入れではないと教えてくれました。
結局その主さんとは何れの場所でも会うことはなかったのですがハッキリとした名目が書いてあったのでその旨をメールにて確認中です。

10月1日に主だった内容の返信がきました、クリックで飛びます。

今回はまさかの源流域で車両と遭遇、そして釣り人のオンパレードで大賑わいの仰天漁場、とにかく異様な光景にこの界隈は終わった感が否めない。
後日片品村役場さんに罠の認可許諾を確認しましたが「国からも何処からもいままでこの様な認可は下した経緯はない」との返事でした。
明らかに違法捕獲罠だったのです、当初岩魚の捕獲罠と想像しましたが、2人してそれはあり得ないと判断しミヤちゃんが調べたのです。
私達も釣りを少々嗜んだ後にこの違法人工物を吊り下げて下山したのですが途中細かいゴミやカン、ペットボトル、挙句は弁当のゴミなど拾い
全く持ってモラルの欠如をした輩の尻拭いまでしながら呆れ果てての下山でした、釣り人よ、いま少しまともな行動をとろうではないか!

苦労して着いた時これを見れば誰でもガッカリ!

一体何の調査?

径の細いものは太いものに重ね8基あります

下山途中で細かいゴミを袋に詰め尚且つ弁当ゴミまで!

お互い励まし合って下山です!

大清水小屋まで10Km近くを我慢の吊り下げ!

ミヤちゃんが撮った美味しそうな実

いまや馴染のミラー撮り

いつしか再生の日が訪れますことを心から願い退渓

総じて意見を申しますとここへきて何と釣り人のモラルが下がったことか、釣り雑誌をあさりライターの陰謀に上手く乗せられ本来携えている理性をかなぐり捨て
準天然の岩魚達を釣りまくりゴミは捨て己の本能のままに流れを汚す、本来この地でのキャンプは禁止の筈なのに平気で溪泊をする。
今回も橋の下が焚き火跡やゴミで汚れていた、渓泊を推奨する某釣り雑誌に私がクレームを入れた時などはビバーグと思えば問題ないのではと反論された。
半日で帰れる場所でビバーグをする馬鹿がいるのか、本来ビバーグとは「緊急避難的に野外で一夜を過ごすこと」とある、ましてや此処は尾瀬国立公園内だ。
全く持って嘆かわしい限りである、こんな輩は売上主義の典型で自然界の事などどうでも良いと思っていると私は言い切る。

けっして先が長くない爺さんがこの先の溪を憂いでいる、これから皆さんがこの溪をどの様に受け継いで行くのか真剣に考えて欲しいと切に願います。
次世代を担うのは貴方です、節操を持ち理性ある行動をどうか、どうかよろしくお願い致します。

宮前さん、本当にありがとうございました。

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